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徴兵制 復活?−番外編3・アメリカ議会の動きと広がるデマ、続報−







「秋水一閃!」






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 「さぁみんな〜、用意はいいかな〜? 今回の居残り授業は、パート1で紹介した『アメリカ議会の動向と広がるデマ』の続編をやります。

単なる『噂話』と悪質な『デマ』をテーマにして授業を進めていくね〜」

 「異議あり!!

 「??? なによう、いきなり二人とも」

 「TOP画像ですが・・・これは一体?」

 「秋水一閃しゅうすい いっせん 秋水とは研ぎ澄まされた刀の事よ」

 「いえ、言葉の読みと意味を聞いているのではなくて・・・」

 「脈絡無く若い頃の写真を使ってどうする気〜って、そういうことなんだけど」

 「・・・細かい事気にしてると秋水一閃しちゃうぞ?」

 「うわーん、タイガが怒ったー」

 「・・・。(秋水一閃、どのような剣筋なのでしょうか・・・見てみたい、しかし今日の大河は迫力が違います)」

 「はいはい、それじゃあ授業の方を始めるよ? イリヤちゃんも嘘泣きしないの」

 「え〜、バレテたんだ・・・」

 「んもぅ、イリヤちゃんたら悪魔っ子なんだから」

 「えへへ〜♪」

 「じゃあ授業行きまーす。まずは噂話の方からね・・・では下の記事を見て」



 米で徴兵制復活?政府、火消しに躍起 [中日新聞 2004/04/17]

イラクでの兵力不足を補うため、米政府が徴兵制を復活するのでは−。こんな不安が国民の間に広がり始めている。徴兵制復活に備える政府機関「選択的徴兵局」は「米軍に兵力を供給するために徴兵制を復活する用意はない」との声明を発表、国民の不安払しょくに追われている。

うわさが広がる背景には、泥沼化した情勢がある。駐留米軍は二万人の兵士に三カ月の駐留延長を命じたばかり。昨年三月の開戦時に先陣を務め、一度帰国した米海兵隊第一海兵遠征軍は今年に入って再駐留させられた。

米軍が兵力のやりくりに苦労しているのは明白だ。そこへ米地方紙が「米軍、コンピューター技師や外国語ができる青年の選択的徴兵を検討」と報じ、不安が一気に広がった。

これに対し声明は、「大統領も国防長官も、テロとの戦いやイラク情勢によって徴兵制を復活する必要はないと再三強調した」と説明。

さらに、「政府機関は、大統領と議会が徴兵復活を決定した時に備えて、準備は続ける。これは一九八〇年から変わっていない」と述べ、徴兵制復活への特別な動きはないことを強調した。



 「・・・見事なまでのトバシ記事ね。単なる噂話が広がっていることを伝えているだけ」

 「スポーツ新聞並みの記事ね。でもまぁ、噂話レベルでそういう話がある、と認識すれば良いんじゃない?」

 「・・・先生は以前、この記事を根拠に『アメリカで徴兵制復活の動きがある!!』と主張する人と出会いました」

 「ウソでしょ? “動き”っていうのは実際に復活を考えている政治勢力の動きじゃないと、根拠になんかならないでしょう?

噂話が広がっているだけで根拠って言えるなら、イラク派遣で日本は徴兵制になる!と煽っている反戦団体が居るだけで、そう言えちゃうじゃない!!」

 「そう・・・それが目的なんでしょうね。噂を意図的に煽っている人達が、日本にもアメリカにも、居る。

そしてそれを真に受ける人が出て来て、更に噂話を拡大させていく・・・」

 「しかし、アメリカが徴兵制を法律から完全に廃止したわけではなく、大統領と議会が徴兵復活を決定した場合には速やかに移行できるように準備をしている・・・ということを始めて知りました」

 「万一に備えているのよう。でもそれを持って『アメリカ軍は志願制とは言えない!!』と言い張る事は無理〜。

例えばコスタリカ憲法第12条には有事の際に軍隊及び徴兵制を復活できると書かれています。

つまりアメリカ軍が志願制じゃないと言い張るなら、コスタリカは徴兵制なんですねー、と切り返すもんねー」

 「身も蓋も無い切り返し方です、大河。しかし今時、コスタリカの実態 を知らない人も居ないでしょうから、そういう問答の心配をする事自体が杞憂でしょう」

 「それじゃあ次は、真実を意図的に捻じ曲げた、悪質なデマの実例を見てみましょうか」




画像はイメージです アメリカで徴兵が復活する [ 暗いニュースリンク 2003/12/13 ]
ニューヨークの学生新聞「ティッカー」の記事によると、ブッシュ政権は密かに法律改正によって一般市民の徴兵制度を復活させる計画をしているという。

記事が言及しているのは、「Universal National Service Act of 2003」という法案の中で、「OBLIGATION FOR YOUNG PERSONS」というタイトルのついた、18−26歳のアメリカ市民に対して2年間の兵役義務を課すという条文。

この法案内容は、2005年6月15日から有効になる予定という。アメリカはそのとき、暗黒のベトナム戦争時代に逆戻りするのだ。


画像はイメージです アメリカ市民の生活に忍び寄る軍事社会の影 [ 暗いニュースリンク 2004/03/20 ]
「金持ちだけが兵役を逃れるのは許さない」という旧来の保守的なアメリカ市民のために、ブッシュ政権は密かにHR163-S89法案の議会承認を進行中だ。

この法案のサマリータイトルは「通常防衛戦力供給に向けて、全ての若者(女性含む)に一定期間の兵役もしくは公共サービスを義務化し、国防と国土安全を促進する法案(To provide for the common defense by requiring that all young persons in the United States, including women, perform a period of military service or a period of civilian service in furtherance of the national defense and homeland security, and for other purposes. )」となっている。


 「・・・上の記事はとても悪質なデマよ。確かにこの法案は議会に提出されたけど、実は提出したのは民主党の議員だというのに、なんでブッシュ共和党が徴兵制復活を画策しているという話になるの?

HR163-S89法案(The Universal National Service Act of 2003)は民主党のリチャード・ランゲル下院議員とフリッツ・ホーリングス上院議員が議会に提出した法案であり、なぜこれが共和党ブッシュ政権の画策であるかのような話になるのか、理解不能。

『暗いニュースリンク』はアメリカではこういった情報が流れていると真に受けて紹介しているだけなので・・・アメリカで意図的にデマを流している者が居る、という事ね」



 The Universal National Service Act of 2003 [ホーリングス議員の公式サイトより]
The Rangel-Hollings legislation (H.R. 163 in the House and S.89 in the Senate) would re-institute a draft to compulsory military or alternative national service for men and women, aged 18 to 26, who are citizens or permanent residents of the United States of America.

【翻訳】
ランゲル-ホーリングス立法(下院提出のHR163法案および上院提出のS89法案)は、18〜26歳の男性および女性(アメリカ合衆国の市民あるいは永住資格者)に施行される徴兵制を再設立する。



 「な、 な ん だ っ て――――――!!!

 「ちなみにランゲル議員は番外編1で既に紹介した黒人の議員。以前から平和運動の観点から『犠牲は全員で』と徴兵制復活を唱えていた反戦運動家。

ホーリングス議員はどういった思想なのか、民主党内でどういった立場なのか・・・只今調査中です」

 「結局、何? 『徴兵制が復活する!』というデマの発信源を辿っていくと火元は民主党なわけ?

自分で火をつけておきながら『水で消さないと駄目だ!』と騒いでいる有様は、マッチポンプって言うのよ」

 「・・・つまり、徴兵制が復活するような社会になるぞ〜、危険だぞ〜と煽っていた人達が、実は復活させるべく動いていたんですか?

しかも自分達の仕業を他人に擦り付けて・・・」

 「噂の火元を隠し、真実を捻じ曲げてデマを流す・・・要するに、反戦運動を盛り上げる為には徴兵制があったほうが都合が良いって事なんでしょうね。

志願制の軍隊ならば、兵士は自らの意思でその仕事を選んだ以上、泣き言は言えない。一般市民も、自分が戦場に赴くわけではないので反戦運動への関心は薄れる。

しかし徴兵制度があれば、行きたくも無いのに戦場へ行かされる人が多く出てくる。市民は戦争を自分に関係ある事と捉え、反戦運動は盛り上がるだろう・・・。

でもね、それは間違いなく本末転倒。平和運動って何の為にやるの?不幸な人を少しでも無くす為でしょう?でも徴兵制が復活したら不幸な人は確実に増えるのよ。

貴方達、一体何がしたいの?

 「・・・手段と目的が入れ替わり、ただ運動を行う事だけが目的となる。

・・・それって、爆弾テロリストが爆弾に魅せられて、ただ爆弾を作って起爆させるだけが目的になってしまったのと大差が無いじゃない。IRAの爆弾魔にはそういうの結構多かったのよ?」

 「何とも・・・言い様が無いです」

 「結局この徴兵制復活法案に賛成しそうなのは、一線を超えちゃった平和運動家と、軍事音痴の愛国者くらいのものね。・・・どちらも少数だとは思うのだけど」

 「それって確信犯と勘違い馬鹿・・・」

 「さて、と・・・それではこれで今回の授業を終わります。そこそこ長引いちゃった。

次回は新たなネタが入り次第になると思います。それじゃ〜ね〜」




★追記:ランゲル-ホーリングス立法は2004年10月5日、下院において402対2の圧倒的大差をもって否決された。










番外編5 「アメリカ大統領選挙とデマ活用法」



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